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貴乃花親方と村田諒太が衝撃対談!
すべては究極の「強さ」のために……。
text by
Number編集部Sports Graphic Number
photograph byTakuya Sugiyama
posted2018/03/29 08:00
帝拳ジムを訪問した貴乃花親方。ロンドン五輪での村田の戦いも見ていたという。
「四股」という名称の語源とは?
「四股って、四つの股と書きます。足の土踏まずが、二足歩行のバランスを司っていますが、その後ろのかかとの骨が1つ、それと土踏まずの前の親指の付け根の骨で2個。それが両足でかける2で、4つの股の四股なんです」
「ええっ、そうなんですか! 確かに何故四つの股なのかと思っていたんです」
「そして、四股の型から、かかとをつけて、土踏まず、指の付け根の骨、と土をつかんで、前に進む。そしてまたかかとをぶつける。こうやって進んでいくのが、摺り足なんです」
「いや、凄い。全然真似できない。僕は足の感覚がなくて、上半身でパンパーンと打つタイプなんです。トレーナーにも足の感覚を鍛えろと言われてはいるんですが、なかなかできない。しかし何が凄いって、貴乃花さんの足の指の開き方が凄いです(笑)」
「この4つの骨を地面から離したらいけない。靴を履く前の、人間の原型の鍛え方ということです」
強さの極北に到達した男、貴乃花。
「実戦練習よりも、基本的な練習に重点を置いていたんですね」と、何か示唆を得た様子の村田。
深い身体感覚に裏打ちされた強さの秘密から、闘いに臨む精神論、そして人を育てるとはどういうことか。「強さ」という切り口から、話題は尽きることなく、村田の質問もいっそう熱を帯びていった。
昨年末から心ならずも土俵外の騒動が話題になってしまった貴乃花親方だが、その真髄ともいえる身体論、鍛錬から精進へという相撲への献身が開陳された圧倒的な2時間。
村田のみならず、同席者一同、貴乃花親方が強さの極北に到達した男であることを改めてまざまざと思い知らされたのだった。