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NBAスカウトは八村塁をどう評価?
「大事なのはリーグで何ができるか」
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph byYoko Miyaji
posted2018/03/27 16:30
現地メディアの取材を受ける八村。NBA入りなるか、注目度は高いようだ。
NBAだとおそらくベンチプレイヤーに。
「もし大学に戻ったとしたら、彼はチームのベストプレイヤーになるだろう。チームのリーダーとなり、チームの中心になる機会が得られる。
一方、もしNBAに行ったら、おそらく彼は控えから出場するベンチプレイヤーになる。それがどういうことかと言うと、試合に出る時間が短くなり、それだけコート上での経験を積む機会も少なくなる。試合以外の状況で、たとえばシュートを打ったり、1対0、2対2のような練習はたくさんやることができるだろうけれど、試合状況での経験は、大学にいるほど多く積むことができない。
将来的にNBAでプレーしたいのなら、フルタイムのスターターとしてプレーし、毎晩30分以上出て、リーダーとしてチームを率いるという経験は、控えで限られた役割の選手として過ごすよりもいいのではないかと思う。それが1年だけのことなら、なおさらだ。
最終的にどの順位でドラフトされるにしても、NBAに来て、いいプレーをすれば、長いキャリアを送り、稼ぐことはできる。大事なのはリーグのレベルに来たときに何ができるかということだ」
「大学を楽しんでいるのなら……」
さらにスカウト氏は、大学からプロに行くことはいつでもできるが、プロから大学に逆戻りすることはできないと指摘する。
「彼はこの先、プロ選手としてキャリアを送ることになるわけで、次の1年をあとから取り戻すことはできない。大学が嫌いだったり、そこにいるのが嫌で、少しでも早く去りたいと考えているようならともかく、そうでなくて大学を楽しんでいるのなら……。プロになったら、(大学選手という)状況に逆戻りすることはできない。だから大学を楽しんでいて、そこで得られるものがあると思っているのなら大学に残ったほうがいい」
ただし、これだけ語った後にスカウト氏は「これは1人の人間の意見にすぎない」ともつけ加えた。
「20人に聞いたら20の違う意見があるかもしれないからね」