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NBAスカウトは八村塁をどう評価?
「大事なのはリーグで何ができるか」
posted2018/03/27 16:30
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph by
Yoko Miyaji
「次のステージのことを……」
3月22日、NCAAトーナメントのフロリダステイト大戦で敗れ、ゴンザガ大2年目のシーズンが終わった後、ロッカールームで来シーズンについて聞かれた八村塁は、意識してなのか無意識なのか、「次のステージ」という言葉を使った。
そのあとで「次のシーズン」という言葉も使ってはいたが、最初に口をついて出てきた言葉からは、来季もゴンザガ大に残るという選択肢だけでなく、NBAドラフトにアーリーエントリーすることも考えていることがうかがえた。アメリカに出てくる前から目標はNBA入りで、大学はそのためのステップと明言してきたのだから、当然のことだ。
NCAA2年目、八村は間違いなくNBAチームのレーダーに入ってきていた。昨年11月下旬に強豪テキサス大相手に20点9リバウンドの活躍をして以来、その注目度はさらに上がり、シーズンが進むにつれ、評価はさらに上がっていった。
まだ潜在能力で評価される部分が大きく、NBAドラフト予想サイトでは、2019年のドラフト入りと予想されることが多いが、NCAAトーナメント2回戦のオハイオステイト大戦という大舞台で25点5リバウンドの活躍をみせ、チームの勝利に大きく貢献すると、評価はうなぎのぼり。スポーツイラストレイテッドのウェブサイトの選手ランキングでは22位とトップ30入りした。今の時点でのドラフト1巡目指名の可能性が出てきたわけだ。
「八村と話し、きちんとした情報を伝える」
シーズン最後の試合となったフロリダステイト戦後、NBAにアーリーエントリーする可能性について聞かれると、八村は、「なにもわからないです。何も考えていませんでした」と答えた。ゴンザガのコーチ陣と相談してから判断を下すと言う。
ゴンザガのヘッドコーチ、マーク・フューは「これは私の選択ではなく、彼の選択だ」と言う。その選択をするためのサポートはできる限りするというのが、フューHCのやり方だ。
「彼と話し、彼がどの位置にいるか、きちんとした情報を伝え、アドバイスはする。正しい判断を下すためにも、正しい情報を伝えることが大事だ。1巡目で指名されるのは30人だけなのに、150人もの選手が自分は1巡目指名選手だと考えている。そういったドラフト予想リストや、彼のダンクを1、2回見た人が、『彼は1巡目指名選手だ』と言ったりするような雑音を断ち切り、彼が決断を下すことができるように、正しい情報を伝えることが大事だ」