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ザ・グレート・ムタと武藤敬司が休業!
人生最後のムーンサルト・プレスを。
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2018/03/29 10:45
グレート・カブキは完全に引退し、ムタの姿まで見られなくなってしまって……毒霧の技の系譜はどうなる?
「必ずプロレスに戻って来るよ」
3月25日、両国国技館。
隅田川の堤では桜が満開だったが、ムタは外のお花見気分の麗らかさと自分とのギャップを楽しむようにDDTの黒いマットに姿を見せて、緑の毒霧を吹き上げて見せた。
武藤はこの試合の後、両ヒザに金属製の人工関節を入れる手術を受けるのだ。当たり前だが、人工関節を入れたらプロレスを続けることはできない、と言われてきた。
「人工関節を入れてもプロレスはできるという医者と出会って手術を決断した」と武藤は言った。
ただ、プロレスは続けることはできても、医師の説明によると、ヒザに負担がかかるムーンサルト・プレスは封印せざるを得ないらしい。
武藤は3月14日の「WRESTLE-1」の後楽園ホールで、もしかしたら、最後になるかもしれないムーンサルト・プレスを放っていた。
そして、ムタもまた、3月25日、DDTの両国国技館で、最後かもしれないムーンサルト・プレスを放った。
ムタは3カウントを聞くと、ひと呼吸置いたが、そのまま花道を無言で引き揚げていった。
「ヒザさえ治ったら、必ずプロレスに戻って来るよ」
そんな約束にも思えるようなムーンサルト・プレスを置き土産に、ムタは静かに消えていった。
武藤敬司もグレート・ムタも1年後、来春のリング復帰を目指すことになる。