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新日本プロレス47年目のタブー。
王者オカダ・カズチカが描く新風景。
posted2018/03/14 11:00
text by
原悦生Essei Hara
photograph by
Essei Hara
3月6日、大田区総合体育館での46周年大会を終えた新日本プロレスは47年目の戦いに突入した。
アントニオ猪木vs.カール・ゴッチで始まったその歴史は、オカダ・カズチカvs.ウィル・オスプレイに変わった。
クラシックな戦いは、現在のプロレスがこういうものであることを意地でも見せようとした。
大田区総合体育館が建て直されまったく新しくなったように、プロレスにも新しさが求められている。
確かに、身体能力の高いオカダとオスプレイ、30歳と24歳。この2人のパフォーマンスは現在から近未来を描いたような戦いだった。空中戦の美しさと意外性はルチャ・リブレの動きを変化させてよりダイナミックにしたようにも見えた。
だが、その前に行われたセミファイナルの鈴木みのるvs.真壁刀義のインターコンチネンタル戦は昭和の時代の雰囲気を残したものになった。
平成も30年になったのに、猪木vs.大木金太郎をふと思い出してしまった。
「もう、待ちくたびれているんです」
オカダは早口言葉の練習を重ねたように、「47周年、48周年、49周年、50周年、51周年……」と将来もカネの雨を降らせていくとリップサービスをした。
「棚橋? 違うな。内藤? 違うな。ケニー・オメガ? 違うな」と棚橋弘至らを否定した。
オカダには、4月1日、両国国技館でIWGP11度目の王座防衛戦が予定されている。その挑戦者は「NEW JAPAN CUP」の優勝者ということになっている。
「(その挑戦者を)余裕で待っていてやろうかなと思います。もう、待ちくたびれているんです。もう誰もこのベルトをとることができない状況が続いている。このオレを倒してくれる人がNEW JAPAN CUPの覇者でありますように。
(挑戦者は)オスプレイでもよかったんですが」