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新日本プロレス47年目のタブー。
王者オカダ・カズチカが描く新風景。
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2018/03/14 11:00
新日本プロレスを背負って立つオカダ・カズチカは、日本プロレス界を新たなステージに導けるか?
「オスプレイ×オカダ=お金」
「オスプレイがいれば、新日本プロレスは大丈夫なんじゃないかなと思います。
別に、オレが辞めるわけじゃないですけれどね。
オスプレイがいて、オカダがいるってこと。
新日本プロレスは、オスプレイ×オカダ。カネの雨が降ります。お金ですよ。オスプレイ×オカダ=お金」
オカダは自分の後継者として弟分のオスプレイを指名するように続けた。
「そのぐらいの2人が揃っている今の新日本プロレス、47周年も、もっともっと先を見て行きましょう。新日本プロレスのレスラーでいられることを誇りに、プロレスラーだということを誇りに思えるように、新日本プロレスというか、プロレス界全体を、盛り上げていきたいと思います」
新日本プロレスはすでに今夏の「G1クライマックス」で日本武道館3連戦を発表している。通常なら両国3連戦になるところだったが、国技館が2020年の東京オリンピックに向けた改修工事で今夏は使えないという理由だった。
当初は大阪がG1優勝戦の候補に挙がっていた。東京ドームも優勝戦のプランの中には存在した。
過去に国技館が日程上の理由で使えないときに、西武ドームでの優勝戦を1回だけ開催したこともあったから、どうするのかは注目されていた。
だが、発表されたのは日本武道館での3連戦だった。過去を知っている者には驚きがあった。
国技館と武道館の違い……3千5百人。
かつて、日本のプロレスのビッグマッチはイメージ的に、新日本プロレスは蔵前国技館あるいは両国国技館、全日本プロレスは日本武道館と色分けされていたからだ。
通常の座席数は、約1万1千の国技館、約1万4千5百の武道館だ。この3千5百の客席の実数差には大きいものがあった。
新日本プロレスはなぜか日本武道館での興行では苦戦を強いられていた。