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宇佐美貴史「元気君、リスペクト」
原口との悪ガキ両翼でついに覚醒か。
text by
了戒美子Yoshiko Ryokai
photograph byGetty Images
posted2018/03/11 08:00
ブンデスで燻っているイメージが強くなってしまった宇佐美貴史だが、いよいよ本領発揮の時だ。
途中出場でもキツかったのが一転。
実際、キッカー誌のデータを見てみると面白い。今季初めてフル出場した2月23日のレーゲンスブルク戦では10.64キロ、続く3月4日のザンクトパウリ戦では11.24キロと距離が伸びている。
その事実はあるにせよ、驚いたのは宇佐美自身が走行距離を調子のバロメータとして挙げたことだ。まずはシュート数、得点やアシスト、ナイスなドリブルやスルーパスの回数などを気にするのでは、と勝手ながらイメージとして染みついていた。
「それまでは途中からしか出てないのに、それさえもキツかった。途中からって、まじキツいっすよ。そのキツさにも慣れてきたけど、フル出場できたときは『全然良かった、90分いける。体力はまだ残ってたな』という感じ。それが、90分間出ただけでコンディションもぐーんって上がったし、だからこそ、次の試合で1キロ近く多く走れたんやと思います。1試合出ると身体的にはだいぶ変わるんだな、っていう感じです」
熱っぽく、走る距離とコンディションの変化について語る様子は、以前の宇佐美とは違って見える。本当に意識が変わりつつあるのだと感じさせられる。
「俺はあれほどヤンチャではないけど」
そんな影響を与えたであろう大きな存在、原口は1つ年上だが、幼い頃から世代別代表などで突出した存在として、互いに知らない仲ではなかった。
将来を嘱望されていたという点だけでなく、血気盛んで時にヤンチャ坊主、悪ガキたちだったという共通点も感じてしまう。
「(お互いヤンチャだった)だから元気くんともこれだけ仲良くなれたと思いますよ。わかりあえるというか、お互いたどってきた道は違えど、系統、カテゴリとしては一緒で育ってきたかなという。ま、俺はあれほどヤンチャではなかったけど(笑)。ホンマにいい人っすよ、今。リスペクトできるとこしかないっす」