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宇佐美貴史「元気君、リスペクト」
原口との悪ガキ両翼でついに覚醒か。
text by
了戒美子Yoshiko Ryokai
photograph byGetty Images
posted2018/03/11 08:00
ブンデスで燻っているイメージが強くなってしまった宇佐美貴史だが、いよいよ本領発揮の時だ。
“何食べてるんやろ”と見てみると。
さりげなく、気づかれないように、だが直接的に宇佐美は原口から学ぼうとしている。
「サッカーに対する姿勢とか、ホンマにすごいなって思いますよね。練習終わった後もだいたいジムにいるし、地道な作業を重ねてる姿も見る。もっと突き詰めていかないとな、という気持ちにさせてもらいましたね。代表で一緒になったときって、あんまりそういうの見る機会がないけど、一緒のチームになると試合に向けてのフォーカスの仕方を見ることが多くなるから。
食事の時とかもテーブル一緒やから“何食べてるんやろ”とかざっくり見ても、やっぱこう(揚げ物の)衣を剥がしたりとかしてるし、デザートも基本手をつけないし。デザート? 俺は結構好き。でも、そんなバカみたいには食べないっすよ!」
意識の向上を促すピッチ外での影響もありがたいが、ピッチ内で共存できることは何よりも嬉しいこと。フォルトゥナでは宇佐美は2列目の右に入り、原口は左に入る。これが効果的に機能し始めている。
「左でポジションを取り合うのでなくて、僕は右で作って元気くんに仕留めてもらうっていう。そんなシーンができれば一番かなと思ってたけど、自分も右サイドができる適性がついて、実際に試合でも出ることが多くなってくるかなと思います」
原口も宇佐美のクオリティを認める。
原口は誰よりも信頼できるチームメイト、でもある。
「俺が来てタカシは変わった、笑うようになったとチームメイトに言われる」と、教えてくれたのは原口自身だった。その原口は、宇佐美をこう見ている。
「アイツの良さはザンクトパウリ戦を見てもわかるように、あのクオリティなわけで。ああいったプレーを気持ちよく出させてあげるチームメイトがいたり、パスが出てくれば、間違いなく活躍できる。
そしてアイツはすごく守備も頑張ってたし、今まで足りなかった部分も補いつつ、攻撃のクオリティを出している。もっとハードに守備をしつつ、攻撃でクオリティを出し続けたら、変な言い方だけど、俺は勝てないなと。あのクオリティは俺にはないから」