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左足で跨ぎ、ジェスチャーは大きく。
帰ってきた内田篤人の変化と不変。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byJ.LEAGUE PHOTOS
posted2018/02/28 11:00
「僕のすきなところ」と語った鹿島アントラーズのユニフォームは、内田篤人に早くもなじんでいる。
内田の意図は確かにチームに届いている。
スタンドからその声は聞き取れないし、味方にもひとつひとつの声は届かないだろう。それでも、遠く離れた場所からでも内田の意図はハッキリとうかがえた。そのくらい大きなアクションを起こしていたからだ。
こんなにも味方を鼓舞したり、指示を送ったりする姿勢は、かつての内田には見られなかったものだ。それは彼がチームを勝たせたいからであり、29歳の新入団選手として求められているものがあるからだ。
「満男さんはやっぱりすごいなと」
内田は入団会見の際に、「前もって、言い訳を言うわけではないですよ(笑)」と念を押した上で、こう明言している。
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「最初は難しいと思います。リーグが違って、ボールも違う。芝生に水を撒いている、撒いていない、とか……。その違いは、リーグが始まってからもっと痛感すると思う。最初はけっこう苦労するでしょ。まぁ、そのなかで(小笠原)満男さんは(イタリアから鹿島に)帰ってきて、バンバン優勝させているので、あれはやっぱりすごいなと思いますけど」
Jリーグ開幕直前、2月21日に行われたACLの水原三星とのアウェーゲームには帯同しなかったものの、かつて痛めていた右膝の状態に不安はない。それでも、周りの筋肉に張りは出る。
「もうちょっと足が動けば、ガツガツいって、みんなに(闘うとは何かを)見せれるんだけど、今日はやっぱりちょっと抑えちゃったね。それはしょうがない。ここでピークに持っていったら、絶対に持たないから、1年は。徐々に徐々に」
焦らない。それはずっと変わらないもの。
はじめて海外移籍をしたときもそうだった。シャルケの選手として臨んだシーズン前のキャンプでは、扁桃腺炎で一時離脱を強いられ、開幕後には足の骨折もあった。それでもシーズン中盤以降にはチームに欠かせない選手となった。
シーズンが終わるときには、こう話していた。
「練習で、なぜかトラップとかパスがうまくいかなかった。パスが30cmとかズレたりして。ただ、焦りはなかったね。代理人の秋山(祐輔)さんにもズレについて相談したことがあるんだけど、『そういうのが海外に移籍して、最初に経験する苦労なんだよ』って言われた。のんびりやろうと思っていたから。それが良かったんだよ」