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韓国に1敗をつけた日本の戦い方。
女子カーリング、“電撃戦”対策は?
posted2018/02/23 11:50
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph by
Naoya Sanuki/JMPA
いま、韓国でいちばんホットなチケットといえば、カーリングだ。
平昌オリンピックの公式サイトでチケットの売り出しを常にチェックしているのだが、2月23日のフライデーナイトに行われる韓国対日本の準決勝は絶対に出回らない。すでに韓国の敗退が決まっている男子は、チラホラ出てくるのだが、女子準決勝についてはお手上げの状態である。
それだけ、韓国女子チームに対する期待は大きい。それはテレビを見ていても分かる。選手が映る時間が日に日に長くなってきているからだ。
日本対韓国の準決勝は、極めて興味深い一戦になる。
韓国は予選リーグで8勝1敗という圧倒的な強さを見せ、1位通過を果たした。そしてその1敗の相手というのが、2月15日に対戦した日本なのである。
このとき日本は、第7エンド終了時3-5とリードされていたのだが、第8エンドに後攻で1点を取らされたものの、第9エンドに2点を先攻でスティール、そして第10エンドには韓国スキップにミスが出て、日本が逆転勝ちを収めた。
真綿ではなく、いきなり首を絞める。
この試合には、「打倒・韓国」のヒントが隠されている。
もっとも大切なのは、前半の第5エンドまでに韓国にリードを許してはいけないということだ。予選リーグの9試合中、韓国が第5エンドまでにリードを奪えなかったのは、日本戦だけだった(この試合は3-3だった)。
この他の試合はすべてリード。特に序盤に相手を追い込んで大量点を奪う戦略を確立し、中国には10-2、アメリカには6-3、OARには11-1、デンマークにも6-2という凄まじいまでの電撃的な立ち上がりを決めている。
たしかに韓国の試合運びを見ていると、容赦のない追い込み方をしていく。真綿ではなく、ギュッと首を絞めてくる感じ。