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MLBで100年ぶりの偉業を追う……。
二刀流・大谷翔平、衝撃の打撃練習。
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph byAFLO
posted2018/02/22 17:00
バッテリーキャンプ期間中の大谷だが、その柵越え弾連発に球団上層部も呆然だった。
「翔平の打撃を見れば、誰だって打者として使う」
また14日には、スコッツデールキャンプを打ち上げた日本ハムの栗山英樹監督が、エンゼルスキャンプまで大谷激励のために駆けつけてくれた。
日本で二刀流成功を手助けした恩師でさえ、こう言った。
「この時期の投手第一っていうのは優先起用じゃないよね。俺だってこの時期は投手の練習しかさせてこなかった。
心配いらないから。
翔平の打撃を見れば、誰だって打者として使うから」
柵越えどころか150mの特大弾も!
バッテリー組のキャンプイン当日。
投手としての練習を終えた大谷は、投手陣が引き上げた後に捕手陣の打撃練習にひとり合流。フリー打撃を行い、早速二刀流調整に入った。
ケージ裏にはソーシア監督、ビリー・エプラーGM、エリック・ヒンスキー打撃コーチら首脳陣だけでなく、アート・モレノオーナーまでもが駆けつけていた。
まさに「御前フリー打撃」。
そこで大谷は適応の早さと能力の高さを見せつけた。
約12メートルの短い距離から、短い間合いで投げるメジャー式のフリー打撃に最初はなかなかタイミングが合わない。17スイングで柵越えは0だ。
ところが、18スイング目。初めて左中間へ柵越えを放つと、ここからは16スイングで7本の柵越えを放った。お得意の中堅から左方向へは3本、右方向へ4本。
見守った首脳陣は口を開け、視線はただひたすらに放物線を追い続けた。
この光景は翌日も続き、今度は3連発を含む35スイングで12発の柵越え。度肝を抜いたのは34スイング目に放ったバックスクリーンの遥か上を越えていく推定150メートルの特大弾だ。