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MLBで100年ぶりの偉業を追う……。
二刀流・大谷翔平、衝撃の打撃練習。
text by
笹田幸嗣Koji Sasada
photograph byAFLO
posted2018/02/22 17:00
バッテリーキャンプ期間中の大谷だが、その柵越え弾連発に球団上層部も呆然だった。
「WシリーズでMVPの松井秀喜と似ている」
広角に軽々と特大弾を放つ大谷の打撃に、'09年のヤンキース時代に松井秀喜氏とチームメイトだったヒンスキー打撃コーチは言った。
「下半身の使い方、スタンス、グリップの位置が'09年のワールドシリーズMVPの松井秀喜と似ている。間違いなくメジャーの投手に適応していける」
同時にソーシア監督も改めて大谷の類い稀なる才能に惚れ込んでいた。
「スイングスピードが速いから打球速度も速くなる。だからパワーも生まれる。
何よりも驚くのは彼の運動能力の高さだ。
ベースランニングはスピードだけでなく、しなやかさもある。野球に必要な才能を生まれながらにして持っている」
指揮官は先発間のDHスタメン起用の二刀流構想を明言しただけでなく「代打でも代走でも使う」と、大谷の能力をフル活用する方針まで示した。
「野球の部分は(日本と)何も変わらない」
キャンプはまだ始まったばかり。
メジャーリーグ新時代幕開けへの期待感は高まるばかりだが、当の大谷は足元を見つめ、淡々と話した。
「基本的に野球の部分は(日本と)何も変わらない。自分の持っているものをしっかりとグラウンドの中で発揮できれば、自分をアピールできるんじゃないかと思います。
まずは何も変えずに自分のやってきたところをベースにしっかり取り組みたい」
新たなる環境での挑戦にも冷静沈着。自分を貫き通す強さと選手として持つ高い能力と技術。
奇しくも羽生結弦とは23歳で同年齢。
これからの日本を牽引する若きアスリートの頼もしさを感じずにはいられなかった。