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酒井宏樹、マルセイユで強者となれ。
フランス代表に意見、左SBも余裕。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byGetty Images
posted2018/02/21 10:30
日本代表でもネイマールらと堂々マッチアップするなど、酒井宏樹の成長曲線は明らかに急勾配を描いている。
「以前より勝利が求められる」から。
一方で、試合後の酒井が結果やアシストに対して、淡々と振り返っていたのは何故だったのか。それはマルセイユに来た理由とも関係がある。
柏レイソルを離れてハノーファーで戦った4年間のうち、最後の2年間は残留争いで、常に下位との順位や勝ち点の差を気にする日々だった。そこで得られたものがない、というわけではない。しかし、そこでは得られなかったものをつかみたくて、彼はマルセイユへ移籍したのだ。
勝者のメンタリティーとは何かを探るために。
酒井は15分以上も取材に答えた後、最後にこう話した。
「今のチームは以前より、勝利が求められる環境です。その中で試合中にメンタルを変化させない、劣勢でもパニックにならないように心がけています。今日みたいな試合でしっかり相手を抑えきると、喜びを感じます。自分の中で、少しずつ喜び方の内容がかわってきているのかなと。
もちろん、このクラブでのプレッシャーはすごいですよ(笑)。メンタルを変えなければ、もたないです。すごく疲れますけど、こういう中でやれるのはすごく嬉しいです。だから、楽しみながらやれている、ということですかね」
真剣な面持ちだった酒井は、そう言って、最後には少し笑顔を見せた。