Number ExBACK NUMBER
ファンデルサールの「GK論」を
川口能活に読んでもらったら!?
posted2018/02/21 11:00
text by
松本宣昭Yoshiaki Matsumoto
photograph by
Getty Images
蛇の道は蛇。Number946号「レジェンドが語る欧州最新最強プレイヤーファイル」では、今季の欧州サッカーシーンで光り輝く選手たちのプレーを、シャビやティエリ・アンリ、アラン・シアラーらレジェンドたちに、詳細に分析してもらった。
ならば、「欧州のレジェンド」が語る解説を、「日本のレジェンド」はどう読むか。2月15日、できたてほやほやの本誌を携えて、Jリーグキックオフカンファレンスに向かった。
GKの道はGKに。目的地は、SC相模原のブース。ここに、川口能活がいる。
「ヨシカツさん、この『エドウィン・ファンデルサールが語るダビド・デヘアと現代最強GKたち』のページを読んだ感想を伺いたいんですが……」
唐突なリクエストにもかかわらず、日本が誇るレジェンド守護神は、いつもの温和な表情とともにページをめくり始めた。
川口が注目したのはトッテナムのロリス評。
まず川口が注目したのが、トッテナムのユーゴ・ロリスについてファンデルサールが語った、この部分である。
「そもそもロリスはGKとしては大柄ではないが、スピードとアジリティで、サイズのなさをうまく補っている。足さばき自体が非常に速く、ポジショニングも的確なので、シュートアングルを狭めながら相手のFWと1対1の状況を作っていき、最後は反応の速さで勝負する。
その意味ではロリスは、スイーパー・キーパータイプではない。むしろライン上に留まることを好むし、クロスボールにもむやみに飛び出さない、クラシカルなプレースタイルだ。しかし味方と意思の疎通さえ取れていれば、問題にはならないはずだ。
彼は温厚だが、天与のリーダーシップを持っており、コミュニケーションにも長けている。個性派揃いのフランス代表でも、キャプテンを任されている所以だろう」