バレーボールPRESSBACK NUMBER
バレー界に現れたスーパーな18歳。
西田有志「大学は遠回りというか」
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byJTEKT STINGS OFFICIAL
posted2018/02/25 08:00
現役高校生の西田は、昨夏のインターハイで海星(三重)をベスト16に導いた。アジアユースメンバーに選ばれるなど、バレー界期待の逸材だ。
「あんな高校生、いるんだ」
フランス代表のイアルバン・ヌガペトやパナソニックパンサーズの清水邦広、ミハウ・クビアク、チームメイトの浅野博亮といった選手の映像を参考にして頭の中でイメージしたことを、すぐにコートの中で体現できるようだ。
1月20日の試合でジェイテクトに敗れたサントリーの荻野正二監督は、西田について、「いやーもう、すげーなーと思いました。高卒で(Vリーグに入った選手の中で)過去最高なんじゃないですか。落とさずにブロックをよく見て打っているし、オポジットとして、高校生だけどもあそこまで託されて、その期待に応えるというのは並大抵の精神力じゃない」と讃えた。
翌日、西田に32得点を許して敗れた東レの小林敦監督もこう絶賛した。
「あっぱれです。ブロック以外の技術は日本トップクラスじゃないですか。スパイクとサーブは言うことない。しっかりとブロックを見て広角に打ってくるし、ブロックが揃ったら指先を狙ってかち上げてくる。テクニックだけでなくパワーもあるし。『あんな高校生、いるんだ』という感じですね」
高校生にやられた悔しさや不甲斐なさもあるはずだが、西田のことを語る時、敵将はみな、どこか嬉しそうでもある。日本男子バレー界に光明をもたらす存在として、期待感を抱かずにいられないからだろう。
世界のトップ選手も驚く成長速度。
西田の活躍に驚いているのは日本人だけではない。
海外では10代の選手がトップリーグでプレーすることは珍しくないが、イタリア・セリエAや欧州チャンピオンズリーグで幾度もチームを優勝に導いた経験を持つ、ジェイテクトのカジースキ・マテイはこう語る。
「海外では17歳でも試合に出る選手はいるけれど、主力メンバーに入っている選手はそれほど多くない。西田はプレーするだけでなく、チームの勝利に貢献している。こんなに若くて、試合を1人で決めてくれる選手というのは世界にもあまりいない。素晴らしい選手だし、代表にも選ばれるべきだと思います」