バレーボールPRESSBACK NUMBER
バレー界に現れたスーパーな18歳。
西田有志「大学は遠回りというか」
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byJTEKT STINGS OFFICIAL
posted2018/02/25 08:00
現役高校生の西田は、昨夏のインターハイで海星(三重)をベスト16に導いた。アジアユースメンバーに選ばれるなど、バレー界期待の逸材だ。
ビッグマウスな部分と、謙虚な部分。
加えて、心の強さも備えていた。
「本田圭佑みたいだな」
スカウトを担当したジェイテクトのチームマネジメントスタッフ・寺嶋大樹氏が、西田と話した際に抱いた第一印象だ。
「自分自身をよく理解していて、目指しているところがすごく高い。当時、うちにはオポジットが3人いたので、そういう状況を伝えた時に彼は、『その3人に勝って自分は絶対試合に出ますよ』と言ったんです。勝負ができるメンタリティがある子だな、とその時感じましたね。実際チームに来ても、まったく物怖じせずに攻めている。根性がすわっていますね」
でも、と寺嶋氏は続ける。
「彼はビッグマウス的なところもあるけど、しっかり謙虚さも持っていて、相手をリスペクトしている。清水選手や福澤(達哉)選手はずっとテレビで見てきた憧れの存在で、そういう選手たちと今一緒にやれることを楽しんでいるし、自分にないものを持っている選手から学ぼうとする。例えば浅野のレシーブ力だったり、誰よりも努力する姿に対しては本当にリスペクトしています。そういう人間性も素晴らしいなと思いますね」
世界的スターにできることは自分もできる。
強気と謙虚さが同居する18歳。
15歳年上の世界的スター選手、カジースキと共にプレーできることについて聞いた時、西田はこう答えた。
「カジースキさんのプレーは練習の時から本当にすごくて、ブロックの弾き方とか、自分がどういうふうに見習わなきゃいけないかというのをいつも考えてやっています。この人がやれているんだったら、自分もやれる、と思っているんで」
それを隣で聞いていた浅野は「どひゃー」とのけぞった。
自分に限界を作らないミレニアム生まれの怪物は、無限の可能性を秘めている。