フィギュアスケート、氷上の華BACK NUMBER
羽生結弦、66年ぶりの五輪連覇!
宇野昌磨の銀と共に歴史的快挙。
text by
田村明子Akiko Tamura
photograph byKaoru Watanabe/JMPA
posted2018/02/17 20:20
順位が確定した後、羽生、宇野、フェルナンデスら3人は自然と抱きしめあった。全力を尽くして戦った3人の、互いへの敬意が溢れる美しいシーンだった。
フリーでは1位だったネイサン・チェン。
前半のグループで素晴らしい演技を見せたのは、アメリカのネイサン・チェンだった。SP17位というショッキングな結果から一夜明け、フリーでは6度の4回転に挑んで5度成功させるという快挙を成し遂げ、フリー215.08という史上3番目に高いスコアを手にした。
「今日はもう失うものがないと思った。プレッシャーなどは忘れて、自分のために滑ろうと思いました」と演技後に語ったチェン。総合297.35で5位となった。
同じくアメリカの若手、ビンセント・ゾウは5度挑んだ4回転のうち3度をクリーンにきめて、総合6位と健闘した。
田中刑事は、冒頭の4サルコウをきれいに成功させるも次の4サルコウで転倒。後半の2度目の3アクセルも転倒したが、後半盛り返して3ルッツ+2トウループ+2ループなどを降り、最後までよく体が動いて精いっぱいの演技を見せた。フリー164.78で15位、総合244.83で18位。「準備できるものはしきってここに来たけれど、それを試合に出す難しさというのが身に沁みました」と演技を振り返る。それでもフリーの後半では「団体戦よりはしっかり意識が通って、最後にリカバリーもできた」と少し安堵の表情も見せた。
全体的に見て、オリンピックの大舞台に相応しい、素晴らしい男子の決勝だった。