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琉球ゴールデンキングスは何をした?
昨季より1試合の失点が10点も減少。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byNaoya Sanuki
posted2018/02/13 10:30
SFの須田侑太郎は、昨年栃木で日本一まで上り詰めた経験を琉球にも還元している。
「あうんの呼吸」にはまだ少し時間がかかる。
前述の須田は、Bリーガーを最も多く送り出している東海大学の出身だ。日本代表の主力で、アルバルクの田中大貴とは大学の同期である。そして、昨シーズンまでは栃木でプレーしていた。
これまでのキャリアを通して、強いチームがどういうものかを身をもって知っているからこそ、チームの進化と課題の両方に目が向けられる。
「すべての相手選手をスカウティングはしていなくても、マークをスイッチするかどうかをパッと判断しないといけないときがあります。シーズンの最初に比べれば、そういう場面でも少しずつお互いのことを分かり合えるようになってはいます。でも、まだコミュニケーションは足りていない。どんなときでも声をかけ続けて、『あうんの呼吸』じゃないですけど、瞬時に判断してカバーし合える状態まで持っていければいいかなと思っています」
それでも須田は、こう付け加えるのことも忘れなかった。
「時間は必要ですけど、もっと激しく出来ると思うし、高いレベルまで持っていきたい。もちろん、僕らにはその可能性があると思っています」
三河、東京、千葉との試合を残す終盤戦。
佐々HCがチームにやってきて、重点的に取り組んできた守備の向上は確かに進んでいる。
一方で、良くない状況で耐えるには、相手との関係性をコントロールする必要がある。この点については、まだ改善の余地が多く残っている。
勝率では現在リーグ2位タイの琉球は、これから多くの正念場が控えている。Bリーグのレギュラーシーズンは5月6日が最終戦となるが、4月の後半以降にシーホース三河(現在リーグ全体で2位タイ)、アルバルク東京、千葉ジェッツ(2018年の天皇杯王者)と、強豪との試合が組まれている。
現在は2位京都に7ゲーム差をつけている西地区での優勝に向けて最後まで気を抜けないとも言えるが、チームの大きな課題と向き合う機会が多く残されているとも言える。
何より、現在のポジションに安住する雰囲気が全く見られないところに、琉球が何かを起こす可能性を感じさせるのである。