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琉球ゴールデンキングスは何をした?
昨季より1試合の失点が10点も減少。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph byNaoya Sanuki
posted2018/02/13 10:30
SFの須田侑太郎は、昨年栃木で日本一まで上り詰めた経験を琉球にも還元している。
昨シーズンより1試合あたり10点以上失点が減った。
さらに、あの話し合いの意図についてこう説明を続けた。
「田代だけではなく、(高卒で入団した21歳の)津山などもそうですけど、選手がベンチにいるときには、ゲームの流れや、彼らに何をして欲しいかを話さなければいけないと思うんです。プレーしているのは試合に出ている5人だけではなくて、ベンチにいる選手も含めて、全員なので」
京都戦は大きなビハインドを覆せず敗れたが、この試合が終わった時点で、1試合平均失点は66.8点。この失点数はリーグでもっとも少なく、他に70点を下回っているのはアルバルク東京しかいない。
なにしろ、昨シーズンと比べて1試合あたり10.2点も失点が減っている。これは驚くべき数字だ。
昨シーズンから琉球でプレーする田代は、守備面での進化を以下のように話す。
「細かい決まり事がたくさんあって、それをみんなが遂行しています。あとは、コミュニケーションの『量』が、とにかく多くなりましたよね。ボールマン(※ボールを持っている相手チームの選手)のディフェンスではないところでもみんなが声を出し合って、ディフェンスをしているので。本当に、トークの量が全然違うと思います」
常に一歩先の状況を読んで声を出す。
田代の証言から、昨季と今季の違いが浮かび上がってくる。
以前の琉球では、相手チームにスクリーンをかけられてから「スクリーン」という声があがったり、マークする選手を変えなければいけない状況になってから「スイッチ」という声が出ていた。
しかし今シーズンは、「その前」の時点で声が出ている実感があるという。
相手チームがスクリーンをかけそうな気配を察知したら、周りの選手がそれを伝える。全ての選手が、自分が守っている位置と、相手選手の位置、状況を自ら発信する。これは佐々の言う「予測」ともつながってくる
「そういう声があると、上(前)のほうにいる選手からしたら、『下のほうは大丈夫なのか。じゃあもう少し味方のヘルプにいける』と判断できたりする。今はそんな声がコート上に満ちていると思います」