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実は平昌五輪の観戦はまだ間に合う!
五輪の位置づけは国でこんなに違う。
text by
生島淳Jun Ikushima
photograph byJun Ikushima
posted2018/02/09 17:10
ソチなどで噂された雪不足とは無縁の平昌。もちろんその分寒いのは寒いが……。
平昌は人工的な町だが、江陵は魅力的?
ただし、問題なのは町に魅力が乏しいことだ。
スノーボードなどが行われるフェニックス(最寄り駅は平昌)、ノルディック、アルペン競技が行われるエリア(最寄り駅は珍富)には、町としての面白味はほとんどない。オリンピックのために開発された町であり、人工的な感じが拭えないのだ(氷系の競技が行われる江陵は、しっかりと町としての魅力があるとのこと。こちらには大会2週目に滞在する予定)。
韓国国内、たとえばソウルの人たちは様々な条件を考慮して、日帰りで観戦しようと考える人たちが多いらしい。たしかにフィギュアスケートなどは午前10時からスタートし、午後3時までには競技が終わるので、日帰り観戦が可能なのだ。
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それに伴って、鉄道の方が混んでいる。KTXのソウル-江陵線をご利用予定の方はご用心。日時によっては完売の列車もあり、立席のみという表示が出る。
また、オリンピック、パラリンピック向けの「平昌コレールパス」という観戦者向けの5日間、7日間用の鉄道パスも用意されているので、調べてみてはいかがだろう。
韓国で小平奈緒は「相手役」として有名に。
さてさて、韓国国内の盛り上がりはというと、最も期待されているのは、スピードスケートの女子500mでバンクーバー、ソチと2連覇したイ・サンファである。
すでに“レジェンド”になっているイ・サンファ。地元開催のオリンピックで3連覇の期待がかかっているが、そこに立ちはだかるのが、隣国・日本の小平奈緒という構図になっているわけだ。
大会前の練習で、韓国のメディアは小平とイ・サンファが絡むところを必死でおさえようとしていたらしい。情報番組では、
「ふたりは、なかなか目を合わせようとしなかった」
といった形で報道されており、ライバル対決を煽ろうとしている。
こうした形で、小平は韓国で有名人になっているのである。