野球善哉BACK NUMBER
大阪桐蔭、「最強世代」のジンクス。
前評判が高い時ほど甲子園では……。
text by
氏原英明Hideaki Ujihara
photograph byHideki Sugiyama
posted2018/01/26 17:00
甲子園の常連となった大阪桐蔭と西谷監督。それでも気を緩めるどころか、危機感をもって戦いに挑む。
類まれな力を持った選手が多いからこその難しさ。
かつての“最強チーム”の翌年に大阪桐蔭が成績を残してきた理由は明白だ。
中村や中田など「個」の力に頼ることができなかったから、誰もが泥臭くプレーすることを心掛けた。西谷監督はそれを「危機感」と表現するが、タレントがいた前のチームより自分たちは劣るのだからと、もっと必死にやらなければいけない意識が自然と生まれていた。
もちろん、現チームが必死にやっていないわけではない。
ただ、甲子園の経験者が多く、類いまれな個の力を持つ選手が揃っているチームだからこそ感じる難しさがあるのだ。
連覇を狙う今大会は大阪桐蔭にとって、本当の「最強チーム」になっていくための過程だ。これまでの「最強」と同じような結末なのか、それとも勝ち続けて新たな歴史を作るのか――。
“最強世代”は“最強チームのジンクス”と、この1年間戦うことになる。