日々是バスケBACK NUMBER
米大学に207cmの日本人バスケ選手!
渡辺飛勇は東京五輪代表を目指す。
posted2018/01/16 08:00
text by
宮地陽子Yoko Miyaji
photograph by
Yoko Miyaji
去年4月、ハワイ出身の1人の選手がバスケットボール奨学金でポートランド大に入ることを決めたとき、秋からのチームメイトの1人から電話があった。電話の向こうにいたのは帝京長岡高校を卒業したタヒロウ・ディアバテ。先にバスケットボール奨学金でのポートランド大進学を決めていたディアバテは、歓迎と挨拶の電話をしてきたのだった。
「いきなり日本語で話しかけられて、僕はまったくこんなだったよ」と、ハワイ出身の彼は当時の驚きを再現するように、息をのみ、目を丸くして見せた。
「その時は彼が誰なのかも、日本にいたことも、何も知らなかったんだ。日本語を話せるなんて信じられなかった。しかも、けっこう上手に日本語を話すんだ。
どっちの日本語がうまいかって? 正直言って彼のほうが上手だと思う。認めたくないけれどね。……だって僕は日本人なのだから」
そう語ったのは、日米両国籍を持つ渡辺飛勇(ヒュー・ワタナベ・ホグランド)。
ハワイ育ちで、母親が東京出身者の日本人。
大学1年目の今シーズンは、大学のレベルに慣れるためにレッドシャツ(試合に出られない練習生)として過ごすことを選んだが、大学からも将来を期待される有望な若者だ。
まだ19歳になったばかりだが、身長は207cmで、垂直跳びが82.5cmとサイズと運動能力に長けている。ポートランド大ヘッドコーチで元NBA選手のテリー・ポーターも、パワー不足を課題としてあげる一方で、「オフェンスのフットワークはいいものを持っているし、得点もできる。ゴールに背を向けたポストアップから得点できる。ショットブロッカー、リバウンダーとしてもけっこういい」と期待をかける。
渡辺はハワイ育ち。父はハワイで木材関係のビジネスを営んでいる。母は東京出身の日本人。スポーツ一家で、父方の祖父、ダグ・ホグランドは1950年代にサンフランシスコ49ersをはじめ3チームで合計6シーズンの間プレーしていたことがある。