箱根駅伝PRESSBACK NUMBER
慶應・根岸が走った8区は実は……。
24年前に同じ道を走った1人の男。
text by
神津伸子Nobuko Kozu
photograph byAFLO
posted2018/01/15 07:00
8区を走った慶應3年の根岸祐太。箱根駅伝本大会の経験を、部の仲間にどう伝えるのだろうか。
即席なのに、仲が良かった学連チーム。
学連選抜チームについて、根岸は「とてもチームがまとまっていたんですよ」と言う。
だからこそ、1区を走るはずだったエース近藤秀一(東大)のインフルエンザによる欠場は大きなショックだった。
箱根駅伝往路が行われる前日の1月1日、近藤はSNSで次のように発表した。
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「インフルエンザを発症してしまったため箱根駅伝を欠場します。自分の走りを楽しみにしてくださっていた皆さま、大変申し訳ありません。他のメンバーが母校の誇りを胸に力走してくれるはずです。チームの応援をよろしくお願いします」
近藤が自宅で療養しながら箱根駅伝を観戦していると、いきなり学連選抜のメンバーからテレビ電話がかかって来た。「おーい、元気かぁ」。チームの仲間たちの笑顔が画面から溢れていた。根岸の顔が、一番手前ではみ出していた。
また、5区の箱根の山登りを任されていた相馬崇史(筑波大)も、故障で出場がかなわなかった。筑波大の弘山勉監督は「相馬は大幅に走力も増して調子も良く、かなりの手応えを持って箱根に臨む予定でしたが、最悪の事態となってしまいました。相馬自身が一番悔しいはずです。また、頑張っていきます」と、本人の気持ちを代弁した。
この時期の体調管理と練習の両立が、いかに難しいかを物語っている。2人とも期待のランナーだっただけに、残念だが、まだ最終学年ではない。たすきは来年に繋がっている。
沿道に立った400本のブルーレッドブルー。
話を慶應に戻す。
8区の沿道には、実に500人を越す卒業生・現役学生が応援に繰り出した。事前にHPやSNSで区内10カ所の応援ポイント、集合時間などを呼びかけた成果だ。昨年10月の予選会に用意した100本の幟に300本を追加、沿道に際立つブルーレッドブルーが強い北風に煽られて映えた。
それらの全てが根岸にしっかり届いていた事が「何より嬉しかった」と、応援に立った人間は声を揃える。
「大学としての出場がいつの日か決まったら、大手町から箱根までの沿道をこの幟で埋め尽くしたい」と、OBの鼻息は荒い。