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富山第一・大塚監督の革新的戦術。
攻撃的5バックと“14ゾーン”とは? 

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安藤隆人

安藤隆人Takahito Ando

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posted2017/12/26 17:00

富山第一・大塚監督の革新的戦術。攻撃的5バックと“14ゾーン”とは?<Number Web> photograph by Takahito Ando

県内出身選手だけでも戦えるメソッドを組み立てた大塚監督。その指導力は高校サッカー界屈指だ。

'12年ユーベのピルロ、ポグバ、ビダルのように。

 大塚監督が口にした「アンダーラップ」について、具体的に説明する。サイドバックが攻撃参加する際「オーバーラップ」という表現はおなじみだと思うが、大塚監督の言葉の定義は少々違う。

 サイドバックやサイドハーフがボール保持者の外側を超えて走るのを「オーバーラップ」と表現する。「アンダーラップ」はその逆で、保持者の内側を走り込むのだ。これらの動きを組み合わせることで、サイドと14ゾーン両方で分厚い攻撃を仕掛けられる。

 大塚監督はセリエAで圧倒的な強さを誇るユベントスを例に出して、こう続ける。

「2012年のユベントスはピルロがアンカー、その脇にポグバとビダルがいました。この2人がツーシャドーになったり、3ボランチになったりと、運動量がすごかったですよね。今年の我々のチームで説明しましょう。ポグバとビダルにあたるポジションには前田拓哉と高緑海という選手を置いていますが、2人の運動量はチームで一番で、守備に関わりながら前へ出ていける。彼らの運動量が僕らの生命線だと思っています。あとはアンカーの多賀啓志郎がピルロのように長短のパスを出してくれれば理想的ですね」

 このフォーメーションが機能したことで、坪井清志郎と大竹将吾という2トップがさらに生きた。左右両足、ヘディングが巧みな坪井と、屈強なフィジカルと空中戦に強い大竹がゴール前で仕事する場面が増えた。

今年の公式戦、富山第一のゴール数がすごい。

 数字で見ても明らかだ。以下は2つの公式戦で富山第一の総ゴール数と、2トップのゴール数だ。

プリンス北信越:18試合 70ゴール/46ゴール(坪井24ゴール、大竹22ゴール)
選手権予選:5試合 53ゴール/37ゴール(坪井17ゴール、大竹20ゴール)

 高い攻撃力をベースにプリンス北信越では2位に勝ち点差12を付けて優勝。選手権も3年連続の出場を果たした。

 そして、今月開催されたプレミアリーグ参入戦でも、この変則フォーメーションは猛威を振るった。

【次ページ】 注目株・中村敬斗をストップし、得点を量産。

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