“ユース教授”のサッカージャーナルBACK NUMBER
高3でJリーガーになるという決断。
中村敬斗「20歳で海外は若くない」
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph byTakahito Ando
posted2017/12/22 11:30
メッシもルーニーも、10代後半にはすでにトップチームの一員だった。中村にもその境地を目指す野心は確実にある。
イングランド、ドイツに単身で渡って練習参加。
このままでは彼らに突き放される。U-17W杯だけでなく、もっと世界を感じたい。そう思った彼は、11月に単身でヨーロッパに渡り、イングランドのリーズとドイツのシュツットガルトの練習に参加した。
「リーズはフィジカルが強い、典型的なイングランドサッカー。パスを出すより、個で相手の守備網を破壊ししりいうベースですが、その中でも状況判断を意識して、自分の良さを出そうとしました。ただそれ以上にいいイメージでプレーできたのがシュツットガルト。11対11のゲームは出来なかったのですが、6対6などで(浅野)拓磨君やバンジャマンという選手と一緒にやりました。U-17W杯でプロでやっている選手と真っ向からぶつかり合っていたからこそ、物怖じせずに堂々と練習参加できた。そこで自分を出せたと思うし、高いレベルでの経験は自分を成長させてくれると確信しました」
シュツットガルトで浅野拓磨から受けた貴重な助言。
刺激的な日々を過ごす中で、ヨーロッパと日本代表で活躍する浅野からも貴重なアドバイスを受けた。
「僕が強い海外志向を持っていることを知っていて、移動中や食事の場などで凄く色々な話をしてくれました。僕も“海外で成功するためにはどうしたら良いか?”とか“最終的にはプレミアリーグに行きたいです”など、具体的に話しました。拓磨君には、海外でも当たり負けしないので、どういう風に身体を作っているのかも聞きました。拓磨君は“あまりガッツリ筋肉をつけるのではなく、自分の筋肉バランスを把握して、自分の特徴を生かせるように作って行かないといけない”と細かいアドバイスもしてくれました。本当に良くしてもらいました」
練習参加中には、日本vs.ブラジルにも足を運んだ。スタンドではフローニンゲンで活躍する堂安律と会い、激励も受けた。
自分の将来への展望、願望がさらに深めた中、高3でのプロ入りの最終局面を迎えている。まだ正式に決まっていないが、具体的なクラブ名を出す報道があるなど、プロ入りは確実だ。