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オルフェ産駒初のGIは阪神JFに!
ラッキーライラックが引き継いだ力。
posted2017/12/11 11:30
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
Kyodo News
終わってみれば、ここまで2戦2勝で来ていた馬の1-2-3フィニッシュだった。
2歳牝馬チャンピオンを決める第69回阪神ジュベナイルフィリーズ(12月10日、阪神芝外回り1600m、2歳牝馬GI)を制したのは、石橋脩が手綱をとった2番人気のラッキーライラック(父オルフェーヴル、栗東・松永幹夫厩舎)だった。石橋にとっては5年ぶり2度目、新種牡馬オルフェーヴルにとっては初めてのGI勝ちとなった。
前半800mは47秒7で、後半800mが46秒6。後半のほうが1秒ほど速い、ラストの瞬発力勝負になった。
道中は、先頭から最後方まで10馬身ほどのタイトな競馬となり、折り合いを欠いた馬が何頭もいた。
そんななかラッキーライラックは、中団の馬群の切れ目につけた。石橋が「いいところにハマることができた」と言ったように、他馬に邪魔されず、動きたいところからいつでも動ける、絶好のポジションだ。
前を塞がれることも、内から張り出されることも、外から被せられることもなく、直線に向いた。
外から力強くストライドを伸ばし、ラスト100m地点で内の馬をかわし、先頭でフィニッシュ。新馬戦、GIIIのアルテミスステークス、そして今回と、無傷の3連勝で2歳女王の座についた。
オルフェーヴルから譲り受けた鋭い切れ味。
勝ちタイムは1分34秒3。ラスト3ハロンはメンバー最速タイの33秒7。コースを改修した2006年以降、歴代最速の上がりだ。毛色と流星ばかりでなく、鋭い切れ味も、「化け物」と言われた父オルフェーヴルから譲り受けていた。
「この馬の力はわかっていたので、自信を持って乗りました。身体能力も高いし、運もあります。とにかく無事に行ってくれればと思います」
そう話した石橋にとって、ビートブラックで制した2012年の天皇賞・春以来となる2度目のGIタイトルとなった。