福西崇史の「考えるサッカー」BACK NUMBER
レバンドフスキ、マネ、ハメス……。
福西崇史が語るH組の要注意人物。
text by
福西崇史Takashi Fukunishi
photograph byGetty Images
posted2017/12/05 11:30
バイエルンでチームメートとして戦うハメス(左)とレバンドフスキ。コロンビアvs.ポーランドの直接対決も、日本の命運を握る可能性がある。
レバンドフスキとは違った意味で難しい俊足マネ。
ゴールに近い位置でレバンドフスキにボールを持たれたら、ピンチを覚悟しなければならない。だからレバンドフスキに“ボールが入る前”のところを徹底的に潰す必要がある。
ポーランドはレバンドフスキ以外にもピシュチェク(ドルトムント)やブラシュチコフスキ(ヴォルフスブルク)など、ブンデスやセリエA、プレミアに所属する選手が多いです。彼らと戦った経験のある海外組の選手が、どれだけ特徴を把握して優位に立てるか。前段階で抑えて、レバンドフスキの持ち味を少しでも消したいところです。
続いては……マネですね。クロップ監督のリバプールにいますが、アフリカ人選手らしく、とにかくスピードに乗った突破や加速力が強烈です。身体能力が高いタイプは“想定外”のプレーをしてきて、本当に対応しづらい。日本にとって、レバンドフスキとはまた違う意味で嫌な相手です。周囲の素早いカバーを含めて、マネにスペースを与えないことでリズムを奪いたい。
バイエルンに移籍して、輝きを取り戻したハメス。
最後にハメスです。今シーズンに入って、コンディションを一気に取り戻してますね。去年の今頃はレアル・マドリーで出番に恵まれず、プレーに精彩を欠いていました。だけど今季からバイエルンに移籍して、トップ下で起用されている。自分の技術も生かしつつ、周囲も上手く使っている。
レバンドフスキらバイエルンのチームメートに恵まれたのが大きいんでしょうが、コロンビアのアタッカーもハメスとプレーすることで活きる選手ぞろいです。例えば最前線だと前回大会は大ケガで出られなかったファルカオが健在で、ミランなどにいたバッカ、そして最近サンプドリアで結果を残しているドゥバン・サパタもいる。
2列目サイドだとクアドラドなど、ハメスとしては誰を使っても活きるし、自らが活かされる環境でプレーできる。個人で突破してくる怖さを持った選手が一番多いのは、やはりコロンビアでしょう。
そしてブラジルW杯で痛感させられましたが、コロンビアなど南米のチームは“相手が何をされたら嫌か”を知っていて、常に駆け引きを繰り返してくる。これに耐えて勝機を見出さないといけない。難しい相手であるのは確かなんですが、勝ち点3を奪う姿勢を忘れてほしくない。これは絶対に大事です。