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MLB新人打者の台頭とFA市場。
大谷が活躍なら30代受難に拍車?
posted2017/11/25 07:00
text by
芝山幹郎Mikio Shibayama
photograph by
Getty Images
ダルビッシュ有はどこへ行くのか?
ジェイク・アリエータはどこへ行くのか?
ウェイド・デイヴィスはどこへ行くのか?
この季節が訪れると、FA(フリーエージェント)有資格者の行方が、なにかと話題になる。
投手では、いま挙げた人たちが主なところだが、打者を見ると、30代前半の好打者が今年のFA市場ではかなり眼につく。
筆頭格はJ・D・マルティネス(来季開幕時30歳)だが、彼以外にもエリック・ホズマー(28歳)、マイク・ムスタカス(29歳)、ロレンゾ・ケイン(32歳)、カルロス・サンタナ(32歳)、ジェイ・ブルース(31歳)といった好打者が顔を並べる。
ただ、今年のFA市場は、長距離打者にとってはそれほど安楽なマーケットにはならないような気がする。
20本塁打以上の新人はジャッジら10人もいた。
2017年、大リーグの本塁打総数は6105本に達した。もちろん史上最多で、これまでの5693本(2000年)という記録を大幅に上回っている。
内訳を見て驚かされるのは、新人の本塁打数が飛躍的に伸びていることだ。
2017年、20本塁打以上を打ったルーキーは、両リーグで10人もいた。
一番多いのはアーロン・ジャッジ(ヤンキース)の52本だが、コーディ・ベリンジャー(ドジャース=39本)、ジョシュ・ベル(パイレーツ=26本)、マット・デイヴィッドソン(ホワイトソックス=26本)、ハンター・レンフロ(パドレス=26本)といった新顔もつぎつぎとアーチをかけた。残る5人は、ポール・デジョング(カーディナルス)、マット・オルソン(アスレティックス)、トレイ・マンシーニ(オリオールズ)、イアン・ハップ(カブス)、アンドルー・ベニンテンディ(レッドソックス)といったところだ。