第94回箱根駅伝(2018)BACK NUMBER
予選会10位突破からの下克上を狙う!
創部7年目、2度目の箱根駅伝に挑む東京国際大学駅伝部。
posted2017/11/16 11:40
text by
小堀隆司Takashi Kohori
photograph by
AFLO
柔和な笑みで迎えられた室内練習場は、洗いざらしのシャツのような新しい匂いがした。
「この12月には(トレーニングができる)低酸素ルームも完成する予定です」
そう言って、東京国際大学駅伝部監督の大志田秀次さんは目を細める。
駅伝部が創部して今年で7年目。5年目で悲願の箱根駅伝初出場を果たし、今年も予選会10位で本戦出場を決めた。日本大や明大など常連校が姿を消す中、新興勢力の躍進は特筆すべき快挙に思える。
東京国際大学の強みはどこにあるのか。その秘密を探るべく、監督に話を訊いた。
一流の指導者と施設の充実ぶりは群を抜く。
「ご覧のように、設備環境はかなり恵まれていると思います。食事やお風呂、駅伝部専用の寮があるのは大きい。グラウンドも2つあって、ウッドチップを敷いたクロカンコースも整備されています」
総合グラウンドがある埼玉の坂戸キャンパスには野球場にサッカーグラウンド、ソフトボール場など、強化クラブの施設がずらりと並ぶ。一流の指導者と施設の充実ぶりが売りなのだろう。硬式野球部の名誉監督に古葉竹識氏(元広島カープ監督)、女子ソフトボール部の総監督に宇津木妙子氏、ウエイトリフティング部の監督に三宅義信氏など、じつに錚々たる顔ぶれだ。
「そしてうちの総監督がミスター駅伝で知られる横溝三郎ですから、力の入れ具合がわかっていただけるかと思います。まあ、私はそこにおまけのようなもので(笑)」
そう冗談めかして言うが、大志田監督自身も1996年、中央大学のコーチ時代にチームを箱根駅伝総合優勝に導いた名指導者である。