猛牛のささやきBACK NUMBER
今も右目の横には傷跡が……。
オリ・小林慶祐が目指す復活の道。
text by
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byKyodo News
posted2017/11/15 10:30
小林慶祐は社会人を経由してプロ入りした1年目から35登板し、プロでの居場所を見つけた。
今も右目の横には3cmほどの傷跡が。
右目の横には3cmほどの傷跡が残っている。
「最初白かったのに、最近赤くなって目立つようになってきました」と小林は苦笑した。
「当たったときは、最初は切れてないと思ったんですけど、血を見て急に痛くなった。でも意識がハッキリしていたので、あまり重大だとは思っていませんでした」と振り返る。
それでも、もしかしたら野球ができなくなるかもしれないという思いもよぎった。
「でもまあ別に、当たってできなくなってしまったら、それはそれでしょうがないというか……。そういうのを怖がってたら野球はやれないし、そういう立場だから。自分は社会人から入っているので、のんびりやってられないじゃないですか。ま、結果オーライですね。こうやって投げれてるんで」
いつものように飄々とそう語る。その穏やかな微笑みの裏には、アクシデントをものともせず、チャンスをつかむために猛進する芯の強さを秘めている。