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<CLOSE UP>DeNA濱口遥大「あの広島戦が生きていた」~日本シリーズ激闘の果て~ 

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鷲田康

鷲田康Yasushi Washida

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photograph byNaoya Sanuki

posted2017/11/15 07:00

<CLOSE UP>DeNA濱口遥大「あの広島戦が生きていた」~日本シリーズ激闘の果て~<Number Web> photograph by Naoya Sanuki

【'17.11.01 DeNA6-0ソフトバンク】

 スタンドからスタンディングオベーションが降り注ぐ。119球。最後は8回2死二塁から柳田悠岐外野手の一塁へのゴロのベースカバーが遅れて内野安打になったところでマウンドを降りた。それでもDeNAの先発左腕・濱口遥大には、横浜スタジアムをベイブルーに染めたファンの声援と拍手が湧きあがった。

 8回だ。濱口はこの試合、25人目の打者となる7番・川島慶三をあっさり追い込むと、最後は126kmのフォークで空振り三振に仕留めた。これで1死。するとソフトバンクベンチは8番の髙谷裕亮に代えてベテランの鶴岡慎也を代打に送った。

 チェンジアップ2球を空振りさせてあっさり2ストライクと追い込み、3球目もチェンジアップだった。だが、そのボールが高めに浮いてそこを振り抜かれた。

 ライナー性の鋭い打球が右中間を割る。鶴岡がゆっくり二塁ベースに立った瞬間、あと5人までこぎつけていた濱口のノーヒットノーランの夢は破れた。

「(安打が)ゼロだということはわかっていました。あそこで打たれなければ最後まで投げられたかもしれない。悔しさはあります」


 3連敗して、負ければシリーズが終わる背水のマウンド。それでもこの日の濱口は、立ち上がりから伝家の宝刀・チェンジアップが冴え渡った。

 1回。3試合連続先頭打者安打を放っている1番・柳田を二ゴロに打ちとり進撃は始まった。3回には先頭の髙谷に死球で無死の走者を出したが、送りバントの1死二塁から再び柳田を144kmのストレートで二ゴロに、今宮健太はフォークで三振に仕留めてピンチを切り抜ける。その後も真っ直ぐとチェンジアップだけでなくフォークにカーブとあらゆる球種を駆使して鷹打線を抑え込んでいった。そうして8回1死まで1本の安打も許さない完璧なピッチングでチームにシリーズ初白星を呼び込んだ。

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日本シリーズ激闘の果て。

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日本シリーズ激闘の果て。

 

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