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バドミントン世界トップクラスの山口茜。
東京五輪で「強くなるため」の信念。
text by
石井宏美Hiromi Ishii
photograph byYoshikazu Shiraki
posted2017/11/16 11:00
世界ランキング上位で安定した力を発揮。
今年3月に発表されたBWF世界ランキングでは自己最高位で女子シングルス日本選手最高位の2位にランクアップした。
「私に限らず、上位の選手は実力にそんなに差はないと思います。みんな同じぐらいだと思いますし、技術的にも体力的にも勝負できるという手応えはありますが、私が世界ランキング2位かって言われると……見えないですよね。周りからもオーラがないって言われます(笑)」
そう無邪気に笑いながらも、ランキングへのこだわりをのぞかせた。
「世界ランキングはシーズンを通してコンスタントに勝利し、結果を残さなければ上位にランクインすることはできません。ランキングで常に上位にいる人こそがトップ選手。だからこそ、私も意外と世界ランキングは興味があるというか、いつも気にしているんですよ」
これから3年間、トップ5を維持し続けられたら。
今はまだ3年後の'20年東京五輪のことはあまり考えられない。もちろん、応援してくれる人たちのためにも、「次は形があるものを見せてあげたい」という思いはある。しかし、今は目の前の大会でいかに100%の力を発揮するかということだけを考えている。一つずつステップアップすることが、東京の大舞台へつながると信じて。
「これから3年間ランキングでずっとトップ5あたりを維持し続けられたら、東京五輪でもリオ以上に自信を持って臨めるだろうし、気持ちに余裕を持って大舞台でも楽しむことができると思います。そのためにもやっぱり日々の積み重ねが大事になってくる。今の一番の課題は試合を通してスピードを維持できるように体力面をアップさせること。ショットの精度もまだまだ磨けると思っています。他のトップの選手よりもできること、やらなければいけないことはまだたくさんあると思いますし、自分の“のびしろ”を考えると、まだまだやれるなって。もっと強くなりたいので」