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仏の人気博物館がサッカーの展覧会。
それは政治、経済、芸術、人生である。 

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クリストフ・ラルシェ

クリストフ・ラルシェChristophe Larcher

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photograph byAlain Mounic

posted2017/11/01 08:00

仏の人気博物館がサッカーの展覧会。それは政治、経済、芸術、人生である。<Number Web> photograph by Alain Mounic

この博物館では……サッカーを巡る世界は、単なる身体運動を超えた文化であり、人生、芸術なのだと位置づけている。

人形、写真、鉄格子……奇妙な展示物で溢れる。

 さらに「Nous sommes Foot」展では、ふたつの非日常的な感覚を経験できる。

 まずある暗い作品では、マルセイユやバルセロナ、イスタンブール、リオデジャネイロなどでチャントを歌うサポーターたちの熱狂が描かれている。

 そしてもうひとつはミゲルアンヘル・リオスのもので、アルゼンチン代表のユニフォームを着たペレが1970年メキシコワールドカップ決勝でゴールを決め、カナリア色のユニフォームを身にまとったディエゴ・マラドーナが1986年大会のベルギー戦で得点している姿が描かれている。

 マルセイユサポーターのタトゥーや、マルセロ・ビエルサをかたどった冷蔵庫、'78年ワールドカップのボイコットを呼びかけるポスター、スーパーゴールを集めたモンタージュ、ロシアのフーリガンを閉じ込めた鉄格子、ドミニク・ロシュトーとアンドレア・ピルロのブリーフ姿、ジネディーヌ・ジダンの「ギニョール(フランスの人気テレビ人形風刺劇の人形)」、監獄に入れられたゼップ・ブラッターなど……ヨーロッパと地中海世界の部屋の展示は奇抜な掘り出し物で溢れている。

ウルトラスや選手などの声にもっと耳を傾けるべき。

「サッカーはわれわれの文化遺産に他ならない。だからこそここに展示する価値がある」とジル・ペレスはいう。

「それを否定し、社会的インパクトを無視するのは、スノッブな態度であり社会的蔑視だ。サッカーを愛する人々、ウルトラスや選手などの声にわれわれはもっと耳を傾けるべきだ」

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