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キタサン引退までのカウントダウン。
雨模様の天皇賞・秋、状態は? 

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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photograph byYuji Takahashi

posted2017/10/28 07:00

キタサン引退までのカウントダウン。雨模様の天皇賞・秋、状態は?<Number Web> photograph by Yuji Takahashi

今もっとも観客を呼ぶ馬、キタサンブラック。今年いっぱいでの引退を表明しており、その走りを目に焼き付けておきたい。

キタサンの勝ちバターンが崩れるとしたら……。

 これまでより帰厩するタイミングを2週間ほど早め、じっくり乗り込まれてきた。

 休み明けとなった大阪杯で圧巻のパフォーマンスを見せたときと同様か、それ以上の状態で出てくるだろう。陣営は内枠を希望していたが、4枠7番なら何の問題もない。

 キタサンブラックが自身の力を発揮できることは確かだと思われるが、これまで以上にマークがキツくなることもまた確かだ。宝塚記念でもキタサンの前を走ったシャケトラあたりが今回も近くで競馬をしそうだし、毎日王冠で逃げたソウルスターリングも、無理には抑えず、古馬の牡馬より4キロ軽い斤量を生かして流れ込もうとするかもしれない。

 とはいえ、よどみない流れで逃げて後続になし崩しに脚を使わせ、直線でもドーンと伸びるのがキタサンの戦い方だ。同じペースでついて行くだけでは、キタサンの勝ちパターンにハマってしまう。

 そうならず、序盤はゆっくり進んでエネルギーを溜め、キタサンよりラスト3ハロンで何秒も速い末脚で差し切ることができそうな馬はいるだろうか。

雨が降りそうなことも加味すると浮上してくるのは……。

 それができそうな馬の1頭が、前走の毎日王冠でメンバー最速タイの32秒6という末脚で3着に来たグレーターロンドン(牡5歳、父ディープインパクト、美浦・大竹正博厩舎)だ。先週の菊花賞を勝ったキセキの叔父という、母系の「血の勢い」もある。2年前の秋から長期休養を挟んで5連勝した力は並ではなく、初重賞勝ちがGIという「飛び級」をあっさりやってのけても驚けない。

 また、天気予報を見ると土日とも傘マークが並んでおり、先週不良まで悪化した馬場が完全に回復することはなさそうだ。その点でも、甥が極悪馬場で圧勝したこの馬にとっては追い風と言えるだろう。

 キタサンが惨敗した宝塚記念を勝ったサトノクラウン(牡5歳、父マルジュ、美浦・堀宣行厩舎)も、放牧先で乗り込まれていたときから好調が伝えられている。

【次ページ】 年齢を重ねると適性距離が短くなることはあるが。

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