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五輪後の現役続行と4アクセルを宣言!
羽生結弦、GP初戦は2位でも内容充実。
 

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田村明子

田村明子Akiko Tamura

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posted2017/10/23 16:00

五輪後の現役続行と4アクセルを宣言!羽生結弦、GP初戦は2位でも内容充実。<Number Web> photograph by Akiko Tamura

大会終了直後の3人。4回転ジャンプを巡る、非常に高度な戦いが繰り広げられた大会となったロシア杯。

五輪後の現役続行と4アクセル挑戦を宣言した羽生。

 演技終了後、会見室の椅子に腰かけると、羽生はマイクが入る前に「コンビ(コンビネーションジャンプ)を跳べば良かったです」と小さな声で言って苦笑いを見せた。

「今日は(4ルッツの成功で)ちょっと満足な気持ちはある。でもループが回転不足になったりコンビネーションが入りきらなかったり、それが最終的に3点という差になってしまった。練習しなきゃとあらためて思ったと同時に、スケートは全ての要素をひとつひとつ丁寧にこなしていくことが大事だと改めて感じた大会でした」

 試合で初の4ルッツを決めたことに関しては、「緊張はしました。回転しきったことはよかった」と喜びを表現しながら、「これからもっと完成度を上げてこれを1つのステップとしていきたい」と意欲を見せた。

 また平昌五輪を終えたのちには、将来的には試合で4アクセル(クワッドアクセル)を成功させたいと口にし、今季以降も現役続行の可能性が高いことを明らかにした。

 限られた時間の中で精一杯、報道陣に対して自分の気持ちを表現しようとする真摯な態度は、優勝しても2位に終わっても変わらない。不本意な結果であろうとも、逃げも隠れもしないという王者の風格が感じられる、羽生の会見だった。

初のGPタイトルを手にしたチェン。

 優勝したネイサン・チェンは、新プログラムはSPがシェイ=リーン・ボーン振付で、ベンジャミン・クレメンタインの『ネメシス』を使用した、アップテンポの激しい動きが続くプログラム。

 フリーはローリー・ニコル振付で中国からオーストラリアに移住したバレエダンサーの実話をもとにした映画『マオズ・ラストダンサー』のサントラを使用したプログラムである。

 SPでは4ルッツ+3トウループ、4フリップ、3アクセルを成功させ、100.54でトップにたった。

 フリーでは本来5種類の4回転を組み込んでいるものの、ここではループが不調という理由で挑まず、ルッツ、フリップ、サルコウ、トウループの4種類に挑んで成功させた。3アクセル+2トウループの最後が乱れるというミスもあったが、フリー193.25で2位、総合293.79で1位を保った。

「初めて手にしたGPタイトルで嬉しい。ユヅに勝ったのは、もちろん特別なこと。でもまだシーズンは始まったばかり。五輪までに何が起きるかわからない。気を緩めずに練習していきます」と語った。

【次ページ】 3位はロシアのもうひとりの新星、ミハイル・コリヤダ。

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