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現世界王者として臨む五輪。羽生のコーチが戦略を語る。~オーサーが考える重圧対策のキーワードは、貯蓄。~
text by
野口美惠Yoshie Noguchi
photograph byAsami Enomoto
posted2017/10/18 15:00
トロントのクリケットクラブでオーサーコーチの指導を受ける羽生結弦。二人三脚で五輪シーズンに挑んでいく。
「現世界王者として五輪に挑む感覚は、私とキム・ヨナ、そしてユヅル(羽生結弦)だけが共有できるもの。特別な重圧を受けるシーズンのキーワードは『貯蓄』です」
こう語るのは、羽生を指導するブライアン・オーサーコーチだ。オーサーは1987年の世界王者で、'88年カルガリー五輪に地元カナダの選手として挑み、銀メダルを獲得。'10年バンクーバー五輪ではコーチとして'09年世界女王のキムを金メダルに導く手腕を発揮した。
「私が五輪に出場した時は、想像を絶するプレッシャーと戦いました。自分の生徒が力を発揮できるよう、精神コントロールを手助けしたい。必要なのは、予想外の状況になっても焦らないための完璧な準備です。まずは早めに身体を仕上げることが大前提です」