プロ野球亭日乗BACK NUMBER
広島の手堅さか、DeNAの強攻策か。
2番打者を巡る価値観対決、軍配は?
text by
鷲田康Yasushi Washida
photograph byKyodo News
posted2017/10/18 12:15
ラミレス監督が求める攻撃的2番打者像を体現する梶谷隆幸。三振も多いが、爆発力は目を見張るものがある。
緒方監督の手堅さと、ラミレス監督の攻撃への意志。
アドバンテージを入れて4勝1敗で日本シリーズ進出を決めた緒方監督は、CSの戦いを振り返ってこう語って、日本シリーズでも徹底して手堅い作戦を選択している。
短期決戦には短期決戦の戦い方がある――。
それが初めてのポストシーズンを経験した緒方監督の結論だったわけだ。
黒田博樹投手というチームの精神的支柱はいなくなったが、今季の広島は若い選手が台頭してぶっちぎりでリーグを制覇。何より連覇の自信はポストシーズンでは大きな力になるはずだ。
一方、圧倒的な強さを誇った赤ヘル軍団に、シーズンで13勝12敗と唯一勝ち越したのがDeNAである。このチームには、ファーストステージを連勝で勝ち上がってきた勢いがある。
「去年より準備はできている。よく戦えると思う」
甲子園球場での決戦を終えたラミレス監督は、力を込めてこう語っている。
昨年はいきなり自分たちの戦い方を見失って、ズルズルと敗れ去った。今年は違うという思いが、言葉には込められているように聞こえた。
桑原が出塁する。おそらく2番は梶谷。勝負は初戦にかかっていると言っても過言ではないのかもしれない。