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サッカーU-17W杯で最大の山場が!
最強イングランドに日本は勝てるか?
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph byFIFA via Getty Images
posted2017/10/17 07:00
インド・カルカッタの地で死闘を繰り広げているU-17日本代表。ニューカレドニア戦のドローで、目を覚まされた!?
日本が負けたイラクに、控え組で圧勝のイングランド。
開始11分で中央からサイドを崩し、折り返しをスタメン出場したゴメスが押し込んで軽々先制すると、57分にはMFエミール・スミス=ロウ(アーセナル)が得点し、さらに59分にはFWダニー・ローダー(レディング)がドリブルでGKまでかわして3点目。71分には中央からのスルーパスに抜け出したローダーがトドメのゴールを決めて、4-0とイラクを一蹴したのだ。
ちなみに、イラク戦の4ゴールを決めた選手はすべてこれまでの2戦でスタメンではなかった選手だ。
さらに2点を決めたローダーと1点のロウは、今大会初出場だった。
これだけを見ても、イングランドの尋常ならざる層の厚さが良く分かる。
イングランドの得意な攻撃は、日本の弱点につながる!?
気になるのは、日本がフランスを相手に喫した失点のプロセスと、イングランドの得点スタイルが似ているという点。
イングランドは鋭い出足でインターセプトしてから、トップスピードのままシンプルに裏を狙い、前線のスピードアタッカーがゴールを陥れる。アタッカーたちはカットインからワンツー、ダイレクトパスを駆使して、中央を一気にこじ開けていき、正確なシュートを沈めていく。
イングランドは、他にも中央からサイドへ揺さぶってのゴールも得意としており、守から攻への切り替えの早さは今大会随一と言って良いだろう。
イングランドが今大会最強の敵であることは間違いない。しかし、絶対に勝てないと決めつけてもいけない。それは、ニューカレドニアが身を以て我々に教えてくれたことでもあるのだ。「勝負に絶対は無い」と――。