スポーツ・インサイドアウトBACK NUMBER
ダルビッシュとヴァーランダー。
ワールドシリーズで両雄並び立つか。
posted2017/09/30 11:30
text by
芝山幹郎Mikio Shibayama
photograph by
AFLO
大リーグのレギュラーシーズンが大詰めに入った。9月25日現在、残り試合は各チームほぼ6つ。地区優勝はア・リーグ東地区とナ・リーグ中地区を除いてすべて決まったが、ポストシーズンの行方が見えてこない。
それというのも、今季が不思議なシーズンだったからだ。
序盤に飛び出したのは、アストロズだった。最初の58試合で下馬評どおりの強さを発揮し、42勝16敗(勝率7割2分4厘)のロケットスタートを見せ、あとの展開を楽にしたのだ。
6月から8月にかけての主役はドジャースだった。6月7日から8月25日までの66試合で、55勝11敗(8割3分3厘)の荒稼ぎ。1988年以来のワールドシリーズ制覇を予言するせっかちな声も数多く聞こえてきた。
ドジャースの急失速とインディアンスの快進撃。
ところが、9月に入るとドジャースが急に失速する。代わって表舞台に立ったのは昨年のア・リーグ王者インディアンスだ。こちらは8月24日から9月14日にかけて歴史的な22連勝。ロイヤルズに敗れて連勝記録は途絶えたものの、その後も好調を維持し、8月24日から9月24日までの31試合で29勝2敗という驚異的な成績を残した。
こうなると、ポストシーズンの行方は混沌としてくる。シーズン終盤で強烈なマクリを見せたインディアンスが、余勢を駆って1948年以来のワールドシリーズ戴冠を果たすのか。それとも、8月(28試合で11勝17敗の不調だった)に底をつけたアストロズや、9月上旬に11連敗のどん底を味わったドジャースが、「ここから先は上昇するだけ」と居直って逆襲に転じるのか。
季節限定でメディアを賑わせたのはこの3球団だが、ポストシーズンに出てくるチームは、あと7つもある。
なかでも安定度が高いのは、ナ・リーグ東地区のナショナルズだろう。4月から9月までの月別成績を見ると、このチームは6月の14勝14敗がワーストで、負け越しの月は一度もない。先に挙げた3強の激しい浮き沈みとは対照的だ。