サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
主役は「呼ばれても出てない選手」?
ハリルの選考は何に期待したものか。
text by
二宮寿朗Toshio Ninomiya
photograph byAFLO
posted2017/09/29 12:45
インサイドハーフの攻撃的なオプション、そしてプレースキッカーとして小林祐希にかかる期待は大きい。
武藤は1トップ候補、0キャップ組も可能性アリ?
デスク「クラブで好調と言えば、武藤も20日のホッフェンハイム戦でゴールを決めているよね」
二宮「左サイドじゃなく、トップで見てみたい。武藤も小林も、ここが正念場。11月の海外遠征はブラジル代表やベルギー代表との対戦が報じられていて、実現できればベストメンバーで臨むことになるでしょう。その意味でもこの10月の2試合で結果を残しておくことが、11月につながる。国内組は12月に東アジアE-1選手権がありますが、ハリルジャパンで実績を残せているとは言えない小林、武藤は次にいつチャンスが来るか分からない。プラチナ世代のこの2人は、相当な意気込みで代表に合流してくると思います」
デスク「守備陣に目を移すと、まだ0キャップの中村、植田あたりはチャンスをもらえるかな」
二宮「GKの序列で言うと川島の次は東口だと思うので、中村としてはまずは合宿でアピールしたいところじゃないですか。一方、植田は十分にチャンスがあるかなと思います。首位を走る鹿島の堅守を支えている昌子、植田コンビをどちらかの試合で試すと僕は思いますね」
本田、長谷部、岡崎は「1回お休み」?
デスク「今回、常連の本田、長谷部誠、岡崎慎司の3人が呼ばれなかった。長谷部はケガの考慮、本田はコンディションの問題、岡崎については杉本と武藤を使いたいという説明だったけど、この意味をどう捉える?」
二宮「ハリルホジッチ監督は作戦、コンディションによってメンバーを変えていく“一戦一型”タイプなので、3人が外れたのは別に不思議なことではありません。外した理由も明らかにしています。今回、相手がFIFAランクでも格下であり、長距離移動を伴う日本での親善試合。“全員集合”でなくていいというのは、賛成ですね」
デスク「だと言うなら、もっと入れ替えても良かったような気もするけどね」
二宮「親善試合は、要は代表合宿。戦術理解や哲学の注入など、ハリルホジッチ監督が『第3段階に入った』というチームづくりを進めたいという意図があると思います。もともと代表で集まる時間は限られているため、監督としては呼べる選手は呼んでおきたいというのが本音でしょうね。外したのは、計算が立つ経験のある選手のみ。若い選手、クラブで出場機会に恵まれていない選手は外していない。そのあたりは慎重な一面が見えてきますよね」
デスク「では11月の海外遠征では3人とも戻ってくると?」
二宮「本田の場合はコンディションの問題をクリアする、という条件がもちろんつきますが。基本的には“1回お休み”のスタンスだと僕は解釈しています」