松山英樹、勝負を決める108mmBACK NUMBER
松山英樹と王者トーマスの共通点。
評価、賛辞よりも大切なものとは。
text by
舩越園子Sonoko Funakoshi
photograph bySonoko Funakoshi
posted2017/09/26 17:00
松山のショットには多くのギャラリーが集まる。周囲の期待値は高まる一方だが、何より優先するのは自らとの戦いだ。
「毎日、65ぐらいで回れたら」という気持ちで。
だがそうなってくると、果たして何がどうなったら松山は自身の向上を認め、「よし!」と満足できるのか。その基準が知りたくなって単刀直入に尋ねた。
「毎日、65ぐらいで回れたら、(そう)思うんじゃないですかね」
冗談のようで、やけっぱちのようで、結構、本気の返答だったのだと思う。
そう言えば、トーマスが今季始めに掲げた「目標リスト」の中には「メジャーで勝つ」「ツアー選手権で勝つ」以外に「平均スコアを70以下にする」というのがあった。
なんだかんだ言っても、詰まるところ、彼らは根っからのゴルファーなのだ。上がってナンボ。1打でも少なく、誰よりも少なく。それができれば最終的には、すべての向上と満足にたどり着く。
突きつめれば、話はシンプルだ――。