プロレス写真記者の眼BACK NUMBER
DDTプロレスが近未来を託した男と女。
学生竹下幸之介と筋肉アイドル才木玲佳。
text by
原悦生Essei Hara
photograph byEssei Hara
posted2017/09/02 07:00
竹下による美しいクロスアーム式ジャーマン・スープレックス・ホールド。王者の風格が出てきた。
ディーノ「まだ、プロレスをなめているね」
高木三四郎「大社長」から新プロデューサーに任命された男色ディーノは、アイディアマンだが、さっそく気まぐれぶりを発揮している。
次の竹下の防衛戦を変則マッチにしたのだ。すでにベルトを持っている2人の挑戦者を勝手に用意した。凶器アイテムなんでもありのエクストリーム王者佐々木大輔、ガンバレプロレスのインディ・ジュニアヘビー級王者大家健。
もちろんDDTの枠内だが、なんだか価値観の違う3つのベルトをかけて3人が、9月24日に後楽園ホールで戦うことになった。
ディーノはプロデューサーとして竹下に辛辣な言葉を浴びせる。
「まだ、プロレスをなめているね。ちょっと強いだけで勝てちゃうと思うんだね。
まあ、いいですよ。その若さも人間の通過点ですから。彼はこれからプロレスの奥の深さを知ることになる。彼は試合をいっぱい見て、わかっているつもりでもわかっていないということ。それを大人として教えてあげなくちゃね」
言葉は厳しいが、DDTが竹下に託す思いは伝わってくる。
竹下本人はイケイケの時代はおわったが、DDT内に勝てないという相手はいない、と公言した。
DDTの王者は女子プロレスのリングにも上がる!?
路上プロレスにまで「面白いじゃないか」と首を突っ込んできたノアの丸藤正道もやりたい相手の1人だ。
「DDTプロレスに就職します」
卒業後の進路を問われた大学4年生の竹下は、もう5年もDDTのリングに上がってチャンピオンなのに、まるであのジャンボ鶴田のようなことをいう。
ゆくゆくは系列団体の「東京女子プロレス」にも上がりたいとも言ってみる。
東京女子プロレスはDDTの女子部門だが、DDTの男のレスラーもリングに上がっている。
このリングでは東京女子プロレスには所属していないが「筋肉アイドル」才木玲佳というレスラーが頭角をあらわしている。