野球のぼせもんBACK NUMBER
内川離脱を埋める大砲は……いた!
二軍でもがく吉村裕基にチャンスを。
posted2017/08/02 07:00
text by
田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph by
Kyodo News
内川聖一、骨折。
7月23日の試合で一塁守備の際に、強烈な打球を処理しようとして左手親指を痛めた。後日になっても腫れが引かなかったため、検査したところ剥離骨折が判明した。復帰は9月以降になる見込みで、残り30本に迫っている通算2000安打の今季中の達成は微妙になった。
それにしても、今年のホークスは故障者が多い。シーズン序盤から離脱者が相次いだが、現在もリハビリ組のメンツは大変なことになっている。内川のほかに和田毅、松坂大輔、五十嵐亮太、川崎宗則のベテラン勢がいて、今春のWBCにベネズエラ代表で出場したスアレスも右肘にメスを入れたため今季マウンドに立つのは不可能。そしてドラフト1位ルーキーの田中正義も6月に一度実戦登板したが、その後音沙汰のない状況が続いている。
ただし厳しい局面に立たされているのはホークスだけではない。
クルーズをトレードで獲得した楽天に対して……。
パ・リーグの2強を形成しているイーグルスもまた、“故障禍”に苦しめられている。長期離脱した茂木栄五郎がようやく復帰と囁かれ始めた矢先に、藤田一也や主砲のペゲーロ、岡島豪郎、絶対的守護神の松井裕樹が相次いで離脱した。さらに今江年晶は骨折で今季絶望となった。
しかし、イーグルスはこの絶妙なタイミングで補強に成功した。
内川の骨折が判明した翌日(7月26日)、クルーズを金銭トレードでジャイアンツから獲得したのだ。すると、クルーズは同日の大事な首位攻防戦で即スタメン起用され、さっそくタイムリーを放つなど期待に応えてみせたのだった。
イーグルス、なかなかやり手だ。
その一方で、考えた。ホークスはどうするのか? と。