野球のぼせもんBACK NUMBER
内川離脱を埋める大砲は……いた!
二軍でもがく吉村裕基にチャンスを。
text by
田尻耕太郎Kotaro Tajiri
photograph byKyodo News
posted2017/08/02 07:00
昨季は78試合に出場し打率.209、5本塁打、28打点。33歳となった今季は、進退をかけて打席に立つ。
「つらいことは誰でもあります。でも……」
やはりと言うべきか、ホークスからは何の音沙汰もなく、今季補強期限の7月31日が過ぎていった。
どんなアクシデントも、今いるメンバーで乗り越えてV奪回を果たすという意思の表れである。
以前、吉村に訊いたことがある。野球人生で一番つらかったことは? と。
「つらいことは誰でもあります。でも、野球選手である以上、応援してくださるファンがいたりして、自分は恵まれているんだなと感じています。苦しい思いと言うのは本人しか分からない。今までも苦しさがあって良い思いもしてきた。そしてまた、苦しい思いはやってくる。でも、自分は恵まれていると感謝する。その気持ちがあれば、どんなことも乗り越えていけると思うんです」
この夏の福岡は連日35度以上の猛暑日。例年以上に厳しい暑さが続く。吉村の顔も、筋肉隆々の両腕も日焼けで真っ黒になった。
「若い選手たちと一緒にやることで刺激を貰っていますよ(笑)」
また必ず“良い思い”が出来る日が来ることを、信じて。