スペインサッカー、美学と不条理BACK NUMBER
昇格を争った相手からのオファー。
柴崎岳とヘタフェの不思議な縁。
text by
工藤拓Taku Kudo
photograph byGetty Images
posted2017/07/27 17:00
昇格プレーオフで戦ったヘタフェからのオファーは「1部に連れていきたい選手」という柴崎への評価でもあったのだ。
「いつか1部の舞台でプレーすることが夢でした」
だが奇しくも柴崎は、一度は逃した1部でのプレーを、同じスタジアムで実現することになった。それはテネリフェで戦った5カ月間において、スペイン国内における自身の評価を高めてきたからこそ手にしたチャンスである。
結果として少なくないテネリフェファンを敵に回してしまったことは残念ながら、プロとしてより良いプレー環境を選ぶのは当然のこと。何より彼はラスパルマス移籍が確実視された1月から半年にわたる紆余曲折を経て、ようやく憧れの舞台に辿り着いたのだ。
「いつか1部の舞台でプレーすることが夢でした。昨季からスペインでプレーして、チャンスを掴んで、この舞台で今季からプレーできることを嬉しく思っています」
ヘタフェに始まり、ヘタフェに終わった2部での奮闘を終え、柴崎は今度はヘタフェの一員として新たな挑戦をスタートする。