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今年のJ1優勝をデータで見てみると?
鹿島の法則、2位セレッソの命運は。
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byJ.LEAGUE PHOTOS
posted2017/07/08 07:00
相変わらずの試合巧者ぶりを見せる鹿島と、ハードワークを身につけたC大阪。もちろん2クラブ以外にも栄冠を奪うチャンスはある。
前半戦4位以下から逆転したのはここ10年で1度だけ。
ちなみに、シーズン中に監督を交代しながら優勝したチームは、1990年代にいくつかの例がある。'95年の横浜マリノス(現F・マリノス)、'97年のジュビロ磐田、'98年の鹿島アントラーズだ。
ただ、いずれも2ステージ制のシーズンである。前監督の成績を引き継いだうえで1シーズンを勝ち抜いた監督は、これまでひとりもいない。大岩監督が優勝のシャーレを掲げれば、リーグの歴史に残る偉業となるだろう。
データが裏付けるリーグ優勝の条件には、「前半戦を3位以内で終える」というものもある。過去10年の優勝チームは、ひとつの例外を除いて3位以内で後半戦へ進んでいった。
その例外とは、'14年のガンバ大阪である。
第17節終了時の成績は7勝3分7敗の8位だったが、ケガから復帰した宇佐美貴史と途中加入のパトリックが攻撃を活性化し、ブラジルW杯の中断明け(第15節)からは15勝3分2敗のハイペースで駆け抜けた。17節終了時点で首位の浦和レッズとは勝点12の開きがあったが、浦和を勝点1差で抑えて優勝をさらったのである。
8位浦和から10位鳥栖までがギリギリで優勝圏内か。
今シーズンでいえば、勝点26で8位の浦和、同24で9位のFC東京、同10位のサガン鳥栖までを、ギリギリで優勝圏内に加えられるだろうか。
7月5日の川崎F戦に1-4で大敗した浦和のミハイロ・ペトロヴィッチ監督は、試合後の会見で「前半戦を終えて首位の鹿島と勝点10の差は、決して追いつけないものではない」と話した。
厳しい現状を直視しつつも、「決してあきらめてはいけないし、下も向いてはいけない」と続けた。リーグ優勝を諦めない浦和の後半戦は、トーナメントに似たものとなっていく。