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「渋谷」の名を冠したBリーグ1年目。
本拠地・青学の体育館で何を得たか。
text by
ミムラユウスケYusuke Mimura
photograph bySUNROCKERS SHIBUYA
posted2017/07/08 09:00
流行の最先端である渋谷区でプロスポーツが開催される。サンロッカーズがBリーグ1年目に果たした役割と意義は大きい。
アルバルク東京との渋谷ダービーに感じた可能性。
可能性を感じさせたもう1つの出来事が、渋谷ダービーだ。
渋谷ダービーとは、渋谷区にある代々木第二体育館をホームコートにするアルバルク東京との一戦だ。B1リーグで同じ街(両チームの場合は同じ区でもあるのだが)にホームコートがあるチーム同士のダービーはこのカードしかない。渋谷区観光協会のナイトアンバサダーを務めるZEEBRA氏もプライベートで観戦に訪れたほど。
そして、この試合の最も大きな意義はチーム史上最多のファンを集めたからだけではない。Bリーグのアリーナのなかで最も「狭さ」を感じさせる空間を作れたことにある。
普段は3500人程度が収容できるような座席配置をしているが、試合向けてはいつもより準備に1日、片づけに1日多く割くことで5000人を収容できるレイアウトにした。隣にいる人の声だけではなく、体温まで伝わってきそうな距離感。会場が狭いと感じるのは、アリーナスポーツでは最高の褒め言葉だ。これが一体感を演出してくれる。
「コートと客席、客席同士の距離、すべてが近かった」
試合の運営を担当する岡田はこう話す。
「SNSで『消防法に違反しているんじゃないのか』という意見があったのは、ショックだったんですけど……」
試合を行う前には、会場を消防署の担当者にチェックしてもらうことが必要だ。消防署は問題がないかどうかを事前にチェックして、問題があれば指導をする。ただ、渋谷ダービーの日もきちんと審査をパスした。
アメリカで現地の熱と空気に触れてきた岡田は、こう胸をはる。
「あの雰囲気は最高に良かったです! コートと客席、客席同士の距離、すべてが近かったじゃないですか。あの会場は他では出来ないことなので」