プロゲーマーが日の丸を背負う時代。
LoLトップ選手と“ゲームの代表戦”。

　スポーツがメジャーになる方法、というのはいくつかパターンがある。

　一番の王道は、日々のリーグ戦が人々の生活に、地元に根付く方法。プロ野球やJリーグがわかりやすい例だろうか。

　もう少しタイムスパンの短いところだと、スターの登場、というのがある。最近でいえばテニスの錦織圭、ゴルフの松山英樹、そして将棋の藤井聡太四段、などが思い浮かぶ。

　そして最も一発逆転的で、一夜にして状況を変える方法が、日本代表チームの活躍である。なでしこジャパン、ラグビーW杯は記憶に新しいし、4年に一度、オリンピックやW杯だけはつい見ちゃう、という人も少なくないだろう。

　そしてそれは、今まさに大きくなろうとしているeスポーツの世界でも同じことが言える。

「いつかサッカーのような選抜チームがあったら……」

　ゲームのタイトルは『リーグ・オブ・レジェンド』（以下LoL）。普段はLeague of Legends Japan League（LJL）という国内リーグ戦でしのぎを削る3つのチームが、日本代表として東南アジア、オセアニアというライバル地域と戦う大会「Rift Rivals」に挑もうとしている。

　7月3日の開幕を直後に控えて、日本で最も有名なゲーミングチーム「DetonatioN FocusMe」に所属するPaz（佐々木志郎）選手は、日本代表として国際大会を戦う意義をこう話す。

「実はそこまで『日本を背負って』みたいなプレッシャーは感じていないんですよ。普段からオンラインで海外のチームとは練習試合をしてるので。ただ、普段はライバルの他チームのファンが応援してくれたりすると“あ、日本代表なんだな”って思います。リーグ戦より応援してくれる人も多いし、その分負けた時の風当たりも強い。でもそれは他のスポーツでも同じなのかなって思ってます。今回はチーム単位での参戦ですけど、いつかサッカーのような日本人の選抜チームもあったら面白そうですよね」

【次ページ】　日本はまだ、世界一を決める大会に出ていない。