沸騰! 日本サラブ列島BACK NUMBER
キタサンが勝てば賞金は歴代3位。
宝塚記念を凱旋門の景気づけに!
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph byYuji Takahashi
posted2017/06/24 08:00
宝塚記念は少頭数になることが多いGIだが、今年も11頭。キタサンブラックにとっては極めて紛れの少ないレースになりそうだが……。
一発狙うとしたら、「キタサンキラー」の……。
今回は、大阪杯のマルターズアポジー、天皇賞・春のヤマカツライデンのように、何がなんでもハナにこだわる馬はいない。
スタートも二の脚も速いキタサンに競りかけていくと自分が苦しくなるので、ほとんどのメンバーは、おそらく無理せず、2、3着狙いの競馬をすると思われる。
そんななか、一発狙いの競馬をする馬がいるとしたら、ゴールドアクター(牡6歳、父スクリーンヒーロー、美浦・中川公成厩舎)ではないか。一昨年の有馬記念を勝ったとき、キタサンを3着に下している。また、昨年の有馬記念では、この馬が直線でキタサンの外から馬体を併せたがゆえに、その外から来たサトノダイヤモンドが、キタサンに馬体を併せずに済み、最後まで伸び切って勝った。
つまりこの馬は、直接的にも間接的にも「キタサンキラー」の仕事をした実績があるのだ。
先手をとりやすい2番枠を引いた今回、鞍上が型にとらわれない横山典弘だけに、思い切った手に出るかもしれない。
デムーロはサトノで積極的に動く?
大阪杯で6着に敗れたあと、天皇賞・春をスキップしてここに照準を合わせてきたサトノクラウン(牡5歳、父マルジュ、美浦・堀宣行厩舎)も、キタサンからそう離されない好位につけるのではないか。ミルコ・デムーロは「外回りコースのほうがいい」と話しており、それをカバーすべく、早めに動く積極的な競馬をしてきそうだ。
今年に入って、阪神大賞典2着、天皇賞・春2着と高いレベルで安定した強さを見せているシュヴァルグラン(牡5歳、父ハーツクライ、栗東・友道康夫厩舎)は、9着だった昨年よりずっといい状態で出てくる。これまでは、中団から差して惜敗、というレースが多かったが、今回はどうするか。