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キタサンが勝てば賞金は歴代3位。
宝塚記念を凱旋門の景気づけに!
posted2017/06/24 08:00
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
Yuji Takahashi
GI5勝の現役最強馬キタサンブラック(牡5歳、父ブラックタイド、栗東・清水久詞厩舎)が、史上初の上半期GI3勝を狙って、第58回宝塚記念(6月25日、阪神芝内回り2200m、3歳以上GI)に出走する。
キタサンブラックは、年明け初戦の大阪杯を、他馬がついてくることのできないロングスパートで完勝。次走の天皇賞・春では、ディープインパクトがつくった記録をコンマ9秒も短縮する3分12秒5というスーパーレコードで、後続に影も踏ませぬ強さを見せた。
今回は、競走馬がもっとも力を発揮すると言われている叩き3戦目。この中間、アクシデントなどは皆無で、予定どおりに調教メニューをこなしてきた。前走の天皇賞・春で掛かり気味になる局面があったことを考えると、2200mのほうがレースをしやすい。内回りコースが脚質に合っていることも、大阪杯で証明済みだ。最大のライバル、サトノダイヤモンドは、秋のフランス遠征に備えるため早々に回避を表明した。
武豊は勝てば史上最多、最年少、最年長に。
唯一不安点があるとしたら、激戦だった前走の疲れが残っていないかどうかだが、躍動感あふれる追い切りの動きと迫力ある馬体から、心配ないだろう。
状態、条件、そして相手関係からも、キタサンに死角は見当たらない。史上9頭目となるJRA・GI6勝目を挙げる可能性は相当高い。
「初めてコンビを組んだ去年の大阪杯のころに比べ、本当に強くなった。すでに名馬と言っていい。ファンのみなさんを喜ばせたいですね」
そう話した武豊は、勝てば自身の最多勝記録を更新する宝塚記念5勝目。また、1989年にイナリワンでつくった20歳2カ月28日という宝塚記念最年少優勝記録につづき、48歳3カ月11日という最年長優勝記録も樹立することになる。
11頭という少頭数だから、自分に都合のいい流れをつくりやすい。引いたのは10番枠。もともとスタートは速いので心配ないが、あと入れの偶数枠だと、よりスムーズにゲートを出ることができる。